修了生インタビュー

  • 田原 績
  • 2022年7月現在
    株式会社田原屋 代表取締役

EMPを受講して

「皆さんは、何を知らないか知らない。」「何を知らないか知らなければ、調べる事もできないだろう。」 大きな組織から選ばれた、間違えなく優秀な受講者達を前に、初日に浴びせられた言葉です。その後半年間の受講は、この言葉の意味がしみてくる経験そのものになりました。一般に知られていない先端分野の最先端は我々が知らなくても当然かも知れません。勿論、そのような分野を垣間見る感動的な機会もありますが、原子力と哲学の関係、イスラム社会の真実などなど、言われてみれば知らないことばかりです。例えば、一般社会では、天文学と素粒子物理学、科学と哲学のようにかなり距離のある存在と考えられている事柄が、実は近くに接し合っていて互い必要としている事などは創造もしておりませんでした。正直なところ、受講前の私は「科学技術」と言う言葉を違和感なく受け入れ、科学と技術の違いさえ真剣に考えた事もありませんでした。

以前学んだビジネススクールでは、マーケティング、企業戦略、財務、会計、金融、人事、組織、調査、交渉、企業倫理、等々、確かに企業経営を多面的に学ぶ事ができましたが、あくまで組織運営側の視点、特に経営者視点です。MBAの知識だけでは、これからの社会の持続可能性、多様性、そして真の課題設定に回答する事は出来ません。しかし、EMPは、社会と学問を俯瞰した視点で学ぶことができます。しかも、学も官も民も垣根なく共に学ぶ事ができるとても貴重な「場」であると感じます。

私は中小企業経者です。大企業の管理職やキャリア公務員の方々が主な対象となるEMPにとっては少し異質な存在かも知れません。そのような者を多様性という考え方で包んで下さり、同期の受講生の皆さんは最後まで仲間として扱って下さいました。特に、修了レポートでのチーム作業は印象に強いものがあります。それぞれの分野では第一人者である者同士が学び合い、知恵を絞りながら、長時間に亘って何回も対話を続けたのち、共通性の高い認識が絞り出て来るという、感動的でとても得難い体験となりました。この点でも、学位論文や1人でのレポート作成とは全く違う効果を感じます。そして、EMPは学びの場ではありますが、感覚的には体験機会だったという感想でもあります。

悔やまれるのは、受講前にこの機会の重大性をもっと理解しておくべきだったという事。それ以上に悔やまれるのは、過去の自分です。普段から勉強し、より深く考えていれば、この得難い機会をより素晴らしい体験にすることができただろうという事です。ただ、今は受講機会を与えられた事と隔てなく接して下さった関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。そして、この社会に存在する者として、これからも成長する事を続けて行くべきと思うのです。何が分かっていないのか、少しは分かってきたかも知れません


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